土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし)の候

暑中お見舞い申し上げます。

「八月一日さん」。突然ですが、この難読名字の読み方おわかりでしょうか。正解は「みずほ」さん。東北南部や関東の一部に分布する名字だそうです。この名字の由来は、旧暦の八月一日(八朔といいます)に稲穂を摘んで神に御供えし、台風シーズンの無事と秋の豊作を祈った、八朔の神事に関係するそうです。また京都の芸妓さんや舞妓さんは、新暦の八月一日になると、芸事のお師匠やお茶屋さんに「おたのもうします」「おきばりやす」と挨拶回りを慣わしがあります。

合掌

八月は やはり燃える 夏祭り

会津ハ一

「うちの旦那、自分のことばっかりで、家のことは何にもしてくれないのよ」多くの女性が夫にこんな不満を持っているようです。しかし、この言葉には矛盾があることをご存じでしょうか。

「旦那」はもともと仏教の言葉で、サンスクリット語(古代インドなどで使われた言語。梵語ともいう)の「布施をする人」という意味の「ダーナ」が語源です。これが転じて、大黒柱として家族を養う一家の主人を「旦那」と呼ぶようになりました。江戸時代「旦那衆」と呼ばれる人たちがいました。それは芸妓さんたちを囲う、所謂スポンサーでした。

一方、ガキ大将ともいうように、子供は「ガキ」とも呼ばれます。これも仏教から来ている言葉です。語源の「餓鬼」とは、強欲で嫉妬深く物を惜しみ、常に貪りの心で、「自分さえよければいい」という心を剥き出しにしている人のこと。そんな人の行く世界を「餓鬼界」と仏教では教えられています。食べ物を好きなだけ食べ、やりたいことをやり、叱られると大きな声で泣く、まさに「自分ファースト」を体現しているのが子供ですから、ガキといわれるのでしょう。

「子供叱るな来た道じゃ」といわれるように、私たちもまた、親や周囲の人に迷惑をかけながらも、たくさんの愛情を受けてきました。そんな経験をしながら、「ガキは旦那へと成長していく」のですね。

家庭が安らげる場所なのは、旦那の存在あればこそ。老若男女関係なく、皆で旦那になれば、日々が楽しくなるのではないでしょうか。それこそ一家団欒の秘訣かもしれませんね。

釈 正輪 拜