草木萌動(そうもくめばえいずる)ころとなりました。草木が芽吹、いよいよ春の幕開けです。自然界にいのちが脈打つ木の芽時です。

合掌

霞立ち 木の芽もはるの 雪降れば
花なき里も 花ぞ散りける

紀貫之「古今和歌集・春上」

水湧きぬ 陽炎たちぬ 草萌えぬ
いま大地は しづ心なし

尾上 柴舟

現在NHKEテレでは、100分de名著ど題し、凡そ毎月さまざまな偉人を紹介しています。今月はガンディー「獄中からの手紙」を放映しています。解説者は東京工業大学教授中島岳志氏です。

ガンディーといえば誰もがその名前くらいは知っているほどの有名な人物です。本名はモーハンダース・カラムチャンド・ガーンディー。一般的にマハトマ(マハートマー)は「偉大なる魂」を意味する尊称です。彼はインドの活動家・政治家であり、イギリス統治下にあったインドにおいて「非暴力主義」を用いて独立を勝ち取った、「インド建国の父」として知られる人物です。

そのガンディーの思想と行動が、世界で注目され始めています。何故でしょうか。

それは彼の言動が『宗教』を基軸としているから他なりません。日本では、日本国憲法に「政教分離」の言葉こそありませんが、根拠として、日本国憲法第20条1項後段、3項ならびに第89条が挙げられていることから、はっきり政教分離だと言っても過言ではないと思います。

政治と宗教を切り離す。しかし世界は未だ政治的摩擦よりも、宗教的な違いによっ戦争を繰り返しています。実は、ガンディーのアクションは、「政治の中に宗教を取り戻す」ことに生涯をかけたのでした。「わたしたちの一挙手一投足は、真理をめぐっておこなわれなければなりません。真理がわたしたちの生命の息吹きそのものでなければなりません。(「獄中からの手紙」森本達雄訳)

ここでいう『真理』とは、世界宗教が根底にもつ、普遍性でなければならなく、それをもって政治を司る。これがガンディーの思想と行動でした。ですから、宗教を伝統的形式に収めてしまう、政治は本来の政治ではないということなのです。ガンディーはヒンドゥ教徒でしたが、インドの政治にヒンドゥの教えを植え付けようとしたのではありません。ガンディーの提唱する「非協力的運動」「非服従運動」といわれる独立運動は、後に「塩の行進」として、人々から歩くガンディーと慕われました。

それは、民族、階級、貧富を超え、宗教間の融和にも繋がりました。そしてインドは大英帝国から独立を勝ち取ることができたのです。『真理』は全ての根幹なのです。

政治と宗教を切り離す、イデオロギーの違い、民族の違いなどに焦点に据えた政治は、とても薄っぺらなものなのです。真理を元に政治や経済を考えたとき、政教分離だとか政教一致などと、区別をすることが如何に愚かなことかを、ガンディーの真理は教えてくれているのです。

わたしはそれぞれの聖典を尊敬のこころをもって読み、どの聖典にも同じ基本的な製品性を見出したのでした。

マハトマ・ガンディー

釈 正輪 拜