雨水(うすい)の候。
早春の暖かな降雨が、大地に潤いを与えます。
厳しかった寒さも次第にやわらぎ、いよいよ農耕の準備が始まります。

雨の日は出掛けるのがおっくうだな、と思いがちです。この時期の雨は、みぞれに変わったりしますから尚更です。でも自然界が春を準備しているこの時期の雨は、四季の国、日本にはなくてはならない大切なものです。降る雪が雨に変わることで、雪や氷が解けて水となり、この雨が春の発芽を促し、植物たちは、私たちの目に見えないところで、萌芽へ向けて働き始めています。「ひと雨ごとに春が来る」とは、昔の人はよく言ったもの。先人の伝えが身にしむ季節です。

合掌

水とりや 氷の僧の 沓(くつ)のおと

松尾芭蕉

さて、先週号ではお釈迦様のご入滅について述べました。今回は仏教の素朴な疑問にお答え致します。

一、何故仏教には多くの宗派があるのか。
七千余巻という膨大な経典がある中でお釈迦さまの真意は何か、人によって理解が異なったことが原因。

ニ、お経は死んだ人の為にあるのか。
お経とは、お釈迦さまの説法を記録したものです。お釈迦さまは常に、生きている人に教えを説かれていますから、死者のために説かれたお経は一つもありません。生きている私たちが、生きている時に、本当の幸福になれる道を説かれているのがお経です。

三、仏教と仏法の違い。
仏教のことを仏法ともいい、二つは全く同じ意味です。それは、仏教で教えられているのは「法」だからです。「法」とは、「三世十方を貫く」をいいます。「三世」とは、過去世、現世、未来世の三つで「いつでも」ということです。十方とは、東西南北上下四維で、「どこでも」古今東西、いつでもどこでも変わらない。真理を「法」といいます。そんな法だけを説かれているのが、お釈迦さまの仏教であり、仏法とも云われる所以でもあるのです。

四、「釈迦の前に仏なし、釈迦の後に仏なし」といわれるように、地球上で仏の悟りを開かれた方は、お釈迦さまただお一人です。しかし、大宇宙には地球のような惑星は無数にあり、数え切れないほどの仏がましますと、お釈迦さまは説かれています。

それら大宇宙の仏を「十方諸仏」といわれ、大日如来(毘盧遮那仏)や薬師如来、阿?如来、阿弥陀如来も地球以外にまします仏さまだといわれています。

釈 正輪 拜